大サロ&カミヨドブルーモーメント
夕方も何も用事がないのに快晴で何もしないのはもったいないと思い、電車に乗って降り立ったのは阪急中津駅。
サロンカーなにわがちょうど日没手前で大阪に帰ってくるということで、逆光ながら敢えてカミヨドへ向かうことに。中津からは徒歩20分ほど。
で、狙いの構図のためにいい場所がないか探していたらちょうどいい感じに川岸まで近づける場所があったのでそこで待ち受けることに。
(以下写真は全てD7200+AF-S NIKKOR 70-200mm F/2.8で撮影)
暇つぶし
シルエット風に。フル編成なので若干もったいない気がしたものの、カンがついてない時点でまあ7割くらいどうでもよくなった。後悔はしていない。最早81が客車を引く時点事の方が重要なのだ。
さて撮り終わったはいいもののこのまま帰るのもなあということで場所を変えて流し撮りをすることに。千里線の淀川橋梁に平行して架かっている長柄橋という橋の上まで移動。
95mm、1/10。
編成全体を流そうとする場合、かなりSSを落とさないと疾走感が出ないので軽い博打になる。まあまだ1/10ならVRの恩恵もありそれなりに決まるが……(ニコン純正の高級レンズになると流し撮り自動検知機能がある)
165mm、1/15。
ある程度ズームしてやればこれくらいのSSでも疾走感は出やすくなる。あと被写体が見やすくなるので追従が楽……かも。
135mm、1/8。
だいぶ暗くなってきて電車が目立つようになってきた。ここまでSSを落とせば流石に疾走感のひとつやふたつはで出る。個人的に一番気に入ってるやつ。
207の未更新+更新という組成が室内灯の色で一瞬でわかる。
92mm、1/6。
ここまで落とすともう自分の腕では大博打。本来はもっと右寄りの切り位置がいいのだが、いいところに限って車に被られるなどしてこれしか成功カットがなかった(JR側に歩道がないので対岸から撮ってる)。
この221のT電まで撮って撤収。もはや中津も遠く、最も近いのは歩いて10分弱の天六という位置だったが、収穫もなかなかだったのでよしとする。
【コラム】撮り鉄における「サンヨン」
機材紹介。
今回は70-200……ではなくそのサブで大活躍している超望遠のお話。
「Ai AF-S NIKKOR 300mm F4D」。
発売はなんと2002年という古さだが、2015年にPFレンズを用いて大幅に小型化した新型が登場するまでの13年間「新型サンヨン」であり続けた(ちなみにこの間にサンニッパは3回もモデルチェンジをしている)。なお現在も型落ちながら生産は続いており、ヨドバシなどでは実は新品で売っていたりもする。F6などにE型が対応していないための処置であろうが、まさに隠れた銘玉である。
1.買うまで
「安価な望遠」と言われるとやはり真っ先に思い付くのが150-600、もしくはニコンユーザーであれば200-500であるが、安価と言えど10万近くはする。当時は70-200を購入したばかりで、一方で望遠が急務という状況――そこまで金をかけられるわけもなく。そこで注目したのがこのレンズであった。
すでに型落ちして3年が経過していたこともあり、このレンズのヤフオクでの値段は既に5万を切っていた。これならいける。しかも70-200用に買ったTC14E2があり。これを用いて420mm/5.6の超望遠としても活用できるのも強みであった。購入するまでに時間はかからなかった。
2.描写性能
妥協したような選択であったが、このレンズは「単焦点」である。その性能は、圧倒的であった。
F4開放。開放からキリッと雨粒まで解像している。鉄道写真で特に重要となる後ボケに関しても見事で、ボケこそサンニッパほど圧倒的ではないにしろ解像度ではほぼどっこいどっこいだろう。(単焦点なので当然かもしれないが)70-200VR2よりも開放の切れ味は勝っている。
F5.6。一段絞ると非常に安定し、解像度はピークに達する。もっとも開放から優秀なのでほとんどその解像度に差はない。
色のり、コントラストも良好で何も不満がない。2002年生まれのレンズとは思えぬ映りで、後継がなかなか出なかったのも頷ける。流石は単焦点レンズか。
F8。夙川の桜を駅のホームから。めしべおしべの先までキッチリと描写しつくしている。また、後ボケは大変素直。ただし、前ボケは少々硬調である。
サンニッパと比べて寄れるので、花などを撮るときはこちらの方が分があるか。
テレコン耐性についてだが、TC14E2と組み合わせた場合開放ではほんの少し甘く、基本的には使用しない。ここはサンニッパとの差が大きい。
F5.6開放。わずかに甘い。200-500にも負ける。
F8まで絞るとシャープになりほとんど画質劣化はなくなる。とはいえその差はわずかで、気にするかしないかは人によるだろう。もはや陽炎かもしれない
総じてシャープなレンズであり、出てくる画に不満を持つ人はそういないだろう。
3.操作性/携帯性
操作について特に困ることはない。AFはそんじょそこらの超望遠ズームなど相手にならないレベルで速く、70-200と全く見劣りしない。頼もしい限り。ただしこの世代のAFはAF鳴きが起こりやすい傾向にある。状態をきちんと確認して買うべき。
このレンズを買う上で一番の問題となるのが手ぶれ補正がないことだろう。暗所の撮影では苦労を強いられる。
とはいえ、開放で他のズームレンズと比べて一段明るく開放からガンガン使っていける性能なことから曇り・雨程度では全く問題にならない。フレーミングさえしっかりすれば案外手持ちでも戦える。また、新型ミラーレスZ6/Z7ではボディ内手ぶれ補正が内蔵されこのレンズ最大の欠点も解消される見込みが立った。これからも末永く戦っていけそうだ。
携帯性についても、重量は1.4kgと重量級だが他の超望遠レンズと比べれば軽く持ち運びしやすいメリットは見逃せない。
4.結局はおすすめです
筆者自身は、サンヨンという選択肢を採ったことを全く後悔していない。使い方次第ではあるが、上手く使えば大変コスパのいい選択肢なのは間違いない。もちろん70-200を先に買うべきだが、その後超望遠の選択に困ったらこちらも検討してはどうだろうか。
山陽5010F&阪神8215F 試運転
8/27に行われた山陽5010Fの試運転。ラッピング延長ということで台湾号のままの出場となりました
基本的に往路は晴れると逆光なので素直に東二見で出庫を撮影。
とりあえず大塩まで追いかけ。見るからに人が多そうだったのでマイナーな場所を。
復路は定番のヤカマトで〆。どっかの踏切は随分荒れていたようですがこちらは平和に、完璧な光線で撮影できました。
その後は久々に阪神の試運転撮影へ。
まずは出屋敷へ。中途半端に望遠がいるのでいつもテレコンをつけようかつけまいかで悩む。
ついにタイプⅡ統一編成にもLED化の手が。8213FがLEDになったときの試運転を撮ったのが記憶に新しいのですが、ずいぶん昔のようです。
続いて石屋川。定番の逆の立ち位置からは初めてだったのですが、こちらはこちらで悪くない。ただ信号が……。
復路は逆光のため御影でスナップ風に撮影して〆。5010Fからの流れだったのか石屋川にもわんさか人がいました。ひええ
おまけで折角のフリー切符を有効活用しようとまた姫路へ。夕方の光線で梅田行が撮れるのは違和感。車ェ……
豪雨のHK5000
5000系のHM掲出も残すところ1日。色々忙しくなかなか夕方の特急を撮れる機会に恵まれなかったが、最後の平日となった今日ついにそのチャンスが訪れる。K1803とK1805に連続で5000が充当。さらに西の空から真っ赤の雲が。これは豪雨の特急の姿を撮れる最初で最後のチャンス。
雨雲レーダーの予測を見て、屋根のあることや速度などを加味し夙川が最も良いと判断。同業があまりいないことを祈りつつ車内から確認するとなんと1人しかいない!即座に下車。
しかし、なかなか雨脚が強くならない。気付けばもう特急は西北停車中。焦りで落ち着かなくなってくる。が、電光掲示板が西北~夙川間走行を示した次の瞬間ついにその時が訪れる。
「キタキタキタキタァ!!」
空気全体を揺らすような轟音ともにやってきた念願の土砂降り。思わず叫ぶ。そしてその雨脚のまま、50周年のヘッドマークを誇らしげに掲げた5000Fの特急が滝のようなシャワーを切り裂くがごとく全点灯で滑りこんできた。
APS-C機にとってしてみればほぼ限界のような状況下だったが、この写真を撮るのを可能にしたのは間違いなく70-200VR2の素晴らしい性能による。
18時半、豪雨の最悪の露出条件のもとISO1600、1/500でシャッターを切れるのは2.8の明るさならでは。みんな買おうね。